フィルウッド スクエアテーパーBBのギモン 取付編

高い耐久性と滑らかな回転に定評のあるPhilwood(フィルウッド)のボトムブラケット(BB)。数あるスクエアテーパーBBの中でも屈指の耐久性を誇ります。

それゆえに、一般的なBBと取付け方法が少し異なります。
「フィルウッドのBBを買ったのに取付けができない!」 という方もいるのではないでしょうか?

フィルウッドのスクエアテーパーBBは取付けに「専用工具」と「マウントリング」というパーツが必要です。

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画像上:マウントリング 画像下:専用取付け工具

 

一般的なスクエアテーパーBBは右側が鉄、左側がアルミ製のカップでBB本体を保持しますが、フィルウッドのBBは左右ともステンレス製の頑強なマウントリングで保持します。

フィルウッドのBBをフレームに取り付ける際は、まずBBシェルの右側にマウントリングのネジ山が2/3程度隠れるまで取り付けます。
次に反ドライブ側からBB本体を入れます。この時BBに刻印されている[Phil] ロゴの[l]側を先に入れると、スムーズにマウントリングが装着できます。

BB本体をセットしたら左側にもマウントリングをセットし、BB本体が中心からズレないように慎重にマウントリングを専用工具とモンキーレンチで回します。

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画像:専用工具でマウントリングを締付

 

左側のマウントリングが回らなくなるまで締めこんだ後、いったん左右のマウントリングを緩めてBBシェルから外します。
右側のマウントリングを緩めるとBB本体がマウントリングに圧入された状態で出てきます。
この時、右側のマウントリングがベアリングに正しく被さっていることを確認してください。

ナナメに圧入されていたり、マウントリングがベアリングの途中までしか圧入されていない場合はBBの破損につながる可能性があるので、再度マウントリングを圧入し直してください。

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画像:BB本体右側にマウントリングが圧入された状態

 

[Phil] ロゴの[l] 側にマウントリングが正しく圧入できていることが確認できたら、再度BBをフレームに取り付けます。

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ここで一つの「ギモン」が出てきます。
BBを取り付けると、マウントリングがBBシェルの外にはみ出すことがあります。

はみ出す量はフレームによって異なりますが、フィルウッドの取付け説明を見ると「マウントリングは左右同じ量をはみ出すことでBBがフレームに正しくセットされ、スムーズに回転する」とあります。

今まで「どちら側のマウントリングをはみ出させればいいのか?」 、「マウントリングがフレーム内に収まらないのはなぜ?」 といったギモンがありましたが、これでスッキリですね。

一例ですが、JIS規格68ミリ幅のフレームの場合、左右3ミリずつはみ出した状態で締めこむとマウントリングが供回りしても、左右均等に1ミリはみ出した状態でBBを固定できました。

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画像:マウントリングがBBシェルから3ミリはみ出した状態

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画像:マウントリングを完全に固定した状態

 

良いパーツを永く使うために正しい取付けやメンテナンスは必要不可欠です。
ハックルではパーツ交換やメンテナンス・オーバーホールなど承りしています。
ご相談お待ちしております。